Japanese
English
特集 社会参加の手段としての車椅子と関連用具
スポーツ用車椅子
Wheel chairs for sports
佐藤 史子
1
,
田治 秀彦
2
Fumiko Sato
1
,
Hidehiko Taji
2
1障害者スポーツ文化センターラポール上大岡
2横浜市総合リハビリテーションセンター地域支援課
1Rapport Kamioooka, Sports & Cultural Center for Persons with Disabilities
2Yokohama Rehabilitation Center
キーワード:
パラスポーツ
,
車椅子
Keyword:
パラスポーツ
,
車椅子
pp.743-749
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202283
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はじめに
公益財団法人障がい者スポーツ協会の「2030年ビジョン」の中で,「障がい者スポーツ」は「パラスポーツ(もう一つのスポーツ)」に置き換えて使用することとしている.本稿でも「パラスポーツ」という表現を使っていく.
パラスポーツは,現在,パラリンピック競技や選手がメディアで取り上げられることも多くなり,身近な存在になった.その歴史は,1945年ごろドイツ出身の医師ルートヴィヒ・グットマン(Ludwig Guttmann)がストーク・マンデヴィル病院(Stoke Mandeville Hospital)で,リハビリテーションの一環として車椅子バスケットボールを始めたことが起源である.これが1948年に競技大会となり,さらにパラリンピックに発展した.今では,パラスポーツは,競技スポーツとして,あるいは社会参加手段の一つとして,広く行われるようになっている.
パラスポーツで使用されるスポーツ用車椅子は,競技特性に合わせて開発されてきたが,日本での開発は1968年のパラリンピック東京大会以降のようである1).スポーツ用車椅子は,日常生活用の車椅子とは異なり,特定の競技でより高いパフォーマンスを発揮できる構造になっている.本稿では,パラスポーツで用いられるスポーツ用車椅子について取り上げ,その特徴を解説した.なお,スポーツ用車椅子の購入にあたっては,公的助成はなく自費で,メーカーや取扱店,輸入代理店からの直接購入か,電動車椅子サッカーで利用する電動車椅子のように,普段使用している車椅子に必要な装備を取り付けるなどで対応している.
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