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特集 糖尿病足—予防とリハビリテーションの最新アプローチ
糖尿病足潰瘍に対する歩行機能,足部機能の影響—理学療法士の役割
Effects of gait and foot function on diabetic foot ulcers: the role of the physical therapist
河辺 信秀
1
,
渡部 祥輝
2
Nobuhide Kawabe
1
,
Yoshiteru Watanabe
2
1東都大学幕張ヒューマンケア学部理学療法学科
2東京工科大学医療保健学部リハビリテーション学科理学療法学専攻
1Department of Physical Therapy, Faculty of Makuhari Human Care, Tohto University
2Major of Physical Therapy, Department of Rehabilitation, School of Health Sciences, Tokyo University of Technology
キーワード:
糖尿病足病変
,
下肢慢性創傷
,
歩行機能
,
関節可動域
Keyword:
糖尿病足病変
,
下肢慢性創傷
,
歩行機能
,
関節可動域
pp.241-247
発行日 2024年3月10日
Published Date 2024/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552203063
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はじめに
下肢慢性創傷(糖尿病足病変)は糖尿病性神経障害や下肢動脈疾患などの危険因子に加えて,足部変形,防御知覚の消失,関節可動域制限,異常歩行パターンなどの誘発因子が複合的に影響を及ぼすことで生じる1).これらの誘発因子は,足底に加わる力学的負荷である足底圧異常を引き起こし,下肢慢性創傷の発症を招く要因となる.
本稿では,下肢慢性創傷(糖尿病足病変)の病態に関連する足部機能や歩行機能について足底圧異常という力学的負荷の視点から解説する.下肢慢性創傷患者が歩行を失わないようにするためには,身体機能や歩行機能の維持という視点が重要となるため,糖尿病患者における歩行機能や身体機能への影響についても解説する.最後に,これらの点を踏まえて下肢慢性創傷患者に対して理学療法士が果たす役割を創傷治療期と発症・再発予防期に分けて概説する.
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