特集 足病—あしを救って機能も救うために
—エディトリアル—足病—あしを救って機能も救うために
永冨 史子
1,2
Fumiko NAGATOMI
1,2
1川崎医科大学総合医療センター
2川崎医科大学高齢者医療センター
キーワード:
足病
,
フットケア
,
糖尿病性足病変
,
下肢救済
,
歩行機能
Keyword:
足病
,
フットケア
,
糖尿病性足病変
,
下肢救済
,
歩行機能
pp.632-634
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203476
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今も昔も,リハビリテーションを始めましょうと計画を説明すると,患者本人や家族は,必ず「歩けるようになりますか」と尋ねる.現代の「社会参加」は,歩行能力に左右されないありようもある.しかし自身の足で歩けること,それが二足歩行によって知と文化を積み上げてきた動物「ヒト」にとって,直感的なアイデンティティの基盤であり,生活のベースであることに変わりはない.健康寿命の基準もまた,歩行機能を含んでいる.
理学療法においても,疾患を問わず,歩行動作は治療目的・治療手段のどちらにもなり得る.理学療法士は,患部や主症状を中心に周囲関節や運動機能の連鎖・筋力・神経症状・他臓器機能などを統合し,必要な理学療法を考え,提供する.ともすれば全身運動中の身体各部位のなかで,股関節・膝関節・体幹に比して足関節以下は一体ものとして取り扱われることがあることも否めないが,いずれにしても足は複雑な構造で緻密に動き,支持面と直接接しダイナミックにヒトの動作を支えるきわめて重要な役割を担っている.
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