連載 子供の車椅子・電動車椅子・第2回
普通型車椅子
小﨑 慶介
1
Keisuke Kosaki
1
1心身障害児総合医療療育センター
1NationaL Rehabilitation Center For Children with Disabilities
キーワード:
自走用標準型車椅子
,
モジュール機能
,
成長対応
Keyword:
自走用標準型車椅子
,
モジュール機能
,
成長対応
pp.1247-1249
発行日 2023年11月10日
Published Date 2023/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202981
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普通型車椅子は,補装具費支給事務ガイドブック(平成30年度告示改正対応版)1)によると,基本構造として「原則として折りたたみ式で大車輪が後方にあるもの」となっており,日本産業規格 手動車椅子JIS T 9201:20162)に基づくものとされている.一方JIS T 9201:2016では,手動車椅子を自走用と介助用に分類しており,ハンドリムおよびブレーキからなる駆動部を有するものを自走用としている.両者を総合すると,補装具として支給される「普通型車椅子」とは,「ハンドリムおよびブレーキからなる駆動部を有し,原則として折りたたみ式で大車輪が後方にあるもの」を指すことになる.
なお,リクライニング機構,ティルト機構,リクライニング・ティル機構を有する普通型車椅子も定義されているが,バックサポートを後方に大きく傾斜させる場合には,後方転倒を予防するために大車輪を後方に設置することとなり,大車輪の駆動が困難となりやすい.そのため,小児用普通型車椅子の大部分は,座席とバックサポートのなす角が固定されたJISで定義されるところの自走用標準型(一般的に用いる自走用車椅子で,後輪にハンドリムを装備し,バックサポートの種類は,固定式,着脱式,折りたたみ式およびこれらと同等の方式であり,特別な座位保持具はなく,任意にバックサポート角度が変えられないもので,前輪はキャスタ,後輪は大径車輪の4輪で構成したもの)として処方されている.
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