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特集 運動処方—有害事象のリスクがある患者への対応
運動処方の原則
General Principles of Exercise Prescription
東 宏一郎
1,2
Koichiro Azuma
1,2
1練馬総合病院スポーツ医学センター
2慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
1Nerima General Hospital Sports Medicine Center
2Keio University Sports Medicine Research Center
キーワード:
運動処方
,
FITT
,
運動負荷試験
Keyword:
運動処方
,
FITT
,
運動負荷試験
pp.813-821
発行日 2023年8月10日
Published Date 2023/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202895
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はじめに
運動の健康効果のエビデンスが集積し,2007年以降相次いで運動指針が欧米で発表された1,2).欧米とは生活様式・運動習慣の異なるわが国においても,欧米のエビデンスを参考にしつつ独自の運動指針〔「健康づくりのための運動指針2006(エクササイズガイド2006)」,「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」(2013年)〕が出されている.しかし,疾病者では,併存合併症はもちろん,運動習慣がなく,低体力である場合が多いため,よりきめ細やかな「運動処方」が必要となる.
運動の効果は,もともと運動していない人ほど表れやすく,リスクを強調するあまり運動を行わないようにすべきではない.その一方で,運動習慣のない人が,高強度運動を行う場合には突然死などのリスクが高い3).そのため,当初はごくわずかでも無理なく行える運動を開始し,継続することで,徐々に運動強度や運動時間(運動量)を増やしていくことがすすめられる.
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