連載 医療と社会 ブックガイド・32
『ウェクスラー家の選択』
立岩 真也
1
1立命館大学
pp.892-893
発行日 2003年11月25日
Published Date 2003/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903534
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この本の著者はハンチントン病という病気で母をなくした人で,自らにも優性遺伝するこの病気が現われるかもしれない人でもある.
この病気については「日本ハンチントン病ネットワーク」のHPを見るとよい.その紹介をさらに短くすると,脳内の線条体にある細胞が失われることにより症状が引き起こされる.通常は中年期に発症.進行性.主な症状に,認識力(思考・判断・記憶)の喪失,動作の統御力の喪失(不随意運動・飲み込み困難),感情の統御困難(抑鬱・感情の爆発・いらだちなど),発症してから15年から20年ほどで亡くなることが多いという.日本では特定疾患に指定され申請者が645人(2002年),外国では特に白人に多く,10万人に4人から10人の割合でいるという.
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