Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「かば」—排除から包摂への道程において求められるのは「理念」の「実践化」である
二通 諭
1,2
1札幌学院大学
2札幌大谷大学
pp.343
発行日 2023年3月10日
Published Date 2023/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202786
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昨年11月,千歳市民ミュージカル「文の見た空」を観賞した.複葉機が空に浮かぶチラシから,千歳空港誕生秘話といったドラマをイメージしたが,それを含みつつも,大正から昭和,平成を駆け抜けた一人の女性・田畑文を軸に,千歳の歴史を語るうえで欠かせないアイヌ,在日,朝鮮戦争時の米軍兵士,繁華街で働く女性,自衛隊員らが紡ぎ出す小ドラマの集積であった.換言すれば,「ダイバーシティ千歳」とでもいうべきヴィジョンである.
ここで想起したのが,これに先立つ10月の自主上映会で正対した「かば」(原作・脚本・監督/川本貴弘).1985年の大阪市西成区の中学校における,実在の教師・蒲益男(2010年没:享年58)を中心とする教師集団と生徒たちが織り成す学園ドラマだ.
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