特集 卒後臨床研修の必修化を控えて
卒後臨床研修必修化への道程
日野原 重明
1
1聖路加国際病院
pp.410-413
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100603
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日本における卒臨床研修の始まり
いよいよ平成16(2004)年度から,医学校を卒業し医師国家試験に合格したものは,2カ年間の臨床研修を,大学病院または指定の臨床研修病院または臨床研修病院群で受けないと,独立して医療の行える臨床医の資格が与えられないという法律が施行される.このことは平成11年度の国会で決議されたのである.
この卒後臨床研修の必修化に至るまでの道程は実に長かった.それは日本が太平洋戦争で連合国軍に敗れ,昭和20年8月15日の終戦後,GHQのマッカーサー元帥の指令で日本の医療制度が一変した時に始まる.その1つが医師国家試験制度とインターン制度(法律用語としては実地修練)の発足であった.これが昭和21年に導入されて以来,今日までの57年間の長い年月にわたる医師卒後研修上の問題が,ようやく2004年度に歯切れよく解決され,他の欧米の文明国の制度に近い状態となろうとしている.
この,日本にインターン制が導入されてから2004年度に至るまでの58年間に,卒後医師研修制度はどのように変転してきたか.これは,明治生まれの者にしかその真相はわからないだろうとということで,このテーマで回顧録を書くように本誌編集部から依頼されたと私は思っている.
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