連載 障害者の就労支援・第4回
就労継続支援施設における支援の実際
鈴木 康介
1
Kousuke Suzuki
1
1社会福祉法人開く会 ファール ニエンテ
1Far niente
キーワード:
参加
,
活動
,
自立
,
豊かな暮らし
Keyword:
参加
,
活動
,
自立
,
豊かな暮らし
pp.1385-1387
発行日 2022年11月10日
Published Date 2022/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202672
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はじめに
社会福祉法人開く会(以下,当法人)は1990年に設立され,旧知的障害者福祉法に基づく知的障害者通所授産施設「共働舎」において障害者の就労支援をスタートさせた.当時はまだ少なかった自主授産を行う施設として「パン・菓子製造」,「園芸」,「陶芸」,「販売」に取り組んできた.この活動で得た技術・知識・協力者の力をまとめあげ,2014年に新たにスタートさせたのが障害者総合支援法に規定されている「就労継続支援A型事業」(以下,A型事業)・「就労継続支援B型事業」(以下,B型事業)の事業所として,パン製造・イタリアンレストラン・農園芸を仕事とする「ファール ニエンテ」である.
A型事業所は厚生労働省によると全国に3,992か所(2021年1月)あるとされ,利用者数は75,531人となっている.一方B型事業所は13,828事業所,282,409人の利用者数である.A型事業は福祉サービスの利用者と雇用契約を結び,労働者としての保障が与えられたうえでの福祉サービスであり,原則18歳以上65歳未満と利用の対象を区切っている.一般企業の就労は困難でも一定の支援があれば継続して働くことが可能であるひとを対象にしている.一方,B型事業は労働者としての保障はなく,利用に際しての年齢制限もない.
本稿ではファール ニエンテの支援の実際を紹介するとともにおのおのの事業の課題について筆者の意見を述べたい.
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