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はじめに
2020年における総務省の発表によるとスマートフォン(スマホ)や携帯電話などの世帯保有率はスマホが86.8%,その他携帯電話などが10%を占める.さらに2021年度末の契約数は日本の総人口比で160.9%と,複数台所持している者も多くいることを示している.スマホは過去によく使われていたガラケーと呼ばれる携帯電話と違い,携帯端末(データ処理や保存,通信ができる電子機器)と考えたほうがよい.パソコンのようにアプリケーションソフトウエアを追加することにより機能を増やすことができる(スマホで使われるアプリケーションソフトウエアはソフトとは呼ばず,慣習的にアプリと呼ばれることが多い).パソコンでWordを起動するとワープロになり,Excelを起動すると表計算機能を持つ計算機になるのと同じように,スマホにアプリを追加すると,種々の機能を持つことができる.また,情報端末としても優れており,スマホによるインターネット利用率は68.3%で,パソコンなどの他の端末と比べて最も利用率が高い.
スマホはAppleの作るiPhone(iOS)とGoogleが提供するAndroidを使用し各社が独自に機器を開発するAndroidスマホに分けられる.英国に本社を置くKANTER社が行った2020年6月の調査によると,日本におけるスマホのシェアは,iPhoneが49.7%,Androidスマホが50.2%,その他が0.1%となっている.ただし,若年者ではiPhoneの普及率がきわめて高く,実際に本学での学生の入学時シェアは,過去五年間で見るとiPhoneが81〜86%を占めている.
Androidスマホは多くの会社が製造しており,その機種固有の機能・性能のばらつきが大きいうえ,使用されているAndroidのバージョン(世代)も多岐にわたるため,それらを網羅することが難しい.それに対しiPhoneはApple 1社のみで開発・製造されており,アプリもAppleの管理するApp Storeからのみ入手できる.以上のことにより,今回はiPhoneを対象にリハビリテーションに役立てる方法を説明することとする.
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