巻頭言
収斂と峻別
斉藤 秀之
1
1公益社団法人日本理学療法士協会
pp.1043
発行日 2022年9月10日
Published Date 2022/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202602
- 有料閲覧
- 文献概要
医療専門職間における医行為の業務分担構造を読者はご存知だろうか.医行為において医師と歯科医師が第1列,保健師・助産師・看護師,診療放射線技師,歯科衛生士,歯科技工士は第2列として法学上整理される.理学療法士,作業療法士,言語聴覚士は臨床放射線技師,視能訓練士,臨床工学技士,義肢装具士,救急救命士とともに第3列である.しかも理学療法士等が行う医行為は看護師の医行為の一部として派生した医行為として整理されている.
朝日新聞(2022年1月5日)に,①『入院患者が料理することで知らず知らずのうちに心身を訓練する,名付けて「クッキングリハビリ」が行われている』と,②『こうした作業が筋力の「リハビリ」になるだけでなく,脳を活性化させ,認知症予防にもつながっている』という2つの記事を見つけた.また,同新聞(2022年3月9日)では,高齢受刑者の刑務所の機能工業作業は加齢で衰えた受刑者の身体や認知機能の回復を指す内容だから「リハビリ」であり,作業と名は付くものの,実態は「リハビリ」といえると論説している.さらに,讀賣新聞(2022年4月16日)には,①『「リハビリ」で残された感覚を保つ』,②『感冒後嗅覚障害の治療は,漢方薬の服用や嗅覚トレーニングという「リハビリ」が中心』,③『残された感覚を保つために「リハビリ」を続けることが大切』との記事が掲載されており,最近は「リハビリテーション」に関する掲載記事が数多く取り上げられるようになってきている.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.