Japanese
English
増大特集 加齢とリハビリテーション
第2部 健康と障害への影響
2.障害者の加齢の問題 4)家族介護者の高齢化
Aging in family caregivers
斎藤 民
1
Tami Saito
1
1国立長寿医療研究センター老年社会科学研究部
1Department of Social Science, National Center for Geriatrics and Gerontology
キーワード:
老老介護
,
高齢介護者
,
生涯未婚
,
身寄りなし高齢者
Keyword:
老老介護
,
高齢介護者
,
生涯未婚
,
身寄りなし高齢者
pp.655-661
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202530
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
後期高齢者が急増するなか,介護や看護を要する人とその割合がますます増加している.例えば要介護高齢者は令和元年度末(2020年3月末)時点で655.8万人,全高齢者の18.4%を占める.平成13年度末(2001年3月末)には287.7万人(12.4%)であったが,最近20年で実人数は約2倍,構成割合も約1.5倍に増加している1).こうした人々の多くは在宅で家族から介護を受けている.家族介護者像はこの数十年で大きく変化し,かつては専業主婦の嫁が主流といわれたが,現在は要介護者の配偶者や子供が主流となっている.同居の主介護者に占める男性割合は35.0%,就労しながら介護する者が39.9%2),ヤングケアラーの問題も顕在化しつつある.このように家族介護者は非常に多様な背景をもつようになっており,その支援ニーズは複雑化している.本稿では,家族介護者の高齢化の状況,高齢介護者の特徴を概観し,老老介護を支えるあり方について若干の考察を述べる.さらに将来的に増加する可能性が否定できない介護者のいない高齢者について,わずかに触れることとする.
Copyright © 2022, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.