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増大特集 加齢とリハビリテーション
第2部 健康と障害への影響
2.障害者の加齢の問題 2)精神障害者の加齢に伴う問題とその支援
Care, support, and health issues for aging persons with mental disorders
新村 秀人
1,2
,
水野 雅文
3
Hidehito Niimura
1,2
,
Masafumi Mizuno
3
1東洋英和女学院大学人間科学部
2慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室
3東京都立松沢病院
1Faculty of Human Science, Toyoeiwa University
2Department of Neuropsychiatry, Keio University School of Medicine
3Tokyo Metropolitan Matsuzawa Hospital
キーワード:
精神障害
,
統合失調症
,
加齢
,
支援
,
地域包括ケア
Keyword:
精神障害
,
統合失調症
,
加齢
,
支援
,
地域包括ケア
pp.639-646
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202528
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はじめに
わが国では,65歳以上の人口比率が2021年に29.1%に達し高齢化が進展しており,精神障害者の高齢化も同時に進んでいる.平成29(2017)年厚生労働省患者調査1)によると,わが国の精神疾患を有する患者における65歳以上の者の割合は,総患者の40.3%を占めており,高齢の精神疾患患者は数も割合も増加傾向が続いている.本稿では,精神疾患のなかでも支援を要する患者数の多い統合失調症圏〔国際疾病分類(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems:ICD-10)のF2〕を中心に,精神障害者の加齢に伴う問題とその支援について概観する2,3).
統合失調症圏の患者数は,40〜70歳台が多く,65歳以上が40.9%を占めている.統合失調症患者も高齢化に伴い,健常者と同様に心身の機能や社会とのかかわりにおいてさまざまな変化を体験する.高齢化した統合失調症患者は,安定した終末像を示すのではなく,症状や機能レベルは変動し,改善や回復もみられる4).
精神障害者の高齢化に対する支援として,薬物療法,精神療法,心理社会的療法,退院支援・地域移行,医療・福祉制度などについてみていく.
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