Japanese
English
症例報告
大脳基底核部ジャーミノーマによる上肢麻痺例への作業療法の経験
The experience of occupational therapy on hemiparetic upper limb in a patient with basal ganglia germinoma
城之下 唯子
1
,
河村 健太郎
2
,
比嘉 那優大
3
,
衛藤 誠二
2
,
下堂薗 恵
1,2
Yuiko Jonoshita
1
,
Kentaro Kawamura
2
,
Nayuta Higa
3
,
Seiji Etoh
2
,
Megumi Shimodozono
1,2
1鹿児島大学病院リハビリテーション部
2鹿児島大学大学院医歯学総合研究科リハビリテーション医学
3鹿児島大学大学院医歯学総合研究科脳神経外科学
1Department of Rehabilitation, Kagoshima University Hospital
2Department of Rehabilitation and Physical Medicine, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Science
3Department of Neurosurgery, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Science
キーワード:
促通反復療法
,
脳腫瘍
,
片麻痺
,
振動刺激痙縮抑制法
,
課題指向型アプローチ
Keyword:
促通反復療法
,
脳腫瘍
,
片麻痺
,
振動刺激痙縮抑制法
,
課題指向型アプローチ
pp.503-508
発行日 2022年5月10日
Published Date 2022/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202503
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要旨 [目的]大脳基底核部のジャーミノーマによる麻痺は,早期診断が難しく腫瘍が画像上消失しても機能回復は困難とされる.今回,複合的な作業療法を継続し上肢機能が良好な結果を呈した症例を報告する.[症例]10歳台後半男性.左上下肢の脱力があり,頭部核磁気共鳴画像法にて右基底核などに病変を認めジャーミノーマと診断された.[経過]化学療法のため3か月間入院した.7か月後,右側脳室前角近傍に再発のため入院し,約6か月間,放射線治療と化学療法を受けた.[作業療法]入院中の各期間,上肢麻痺に対して促通反復療法や課題指向型アプローチ,振動刺激痙縮抑制法,生活環境における麻痺側上肢の動作指導を実施した.[結果]16か月の経過でBox and Block Testは32点から40点へ,簡易上肢機能検査は73点から87点へ変化し,生活動作で実用性が向上した.[結語]大脳基底核部ジャーミノーマは集学的治療により生命予後は良好であり,複合的な作業療法を加えることで麻痺肢の機能向上をめざせる可能性がある.
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