巻頭言
脳とリハビリテーション
植木 美乃
1
1名古屋市立大学リハビリテーション医学
pp.729
発行日 2021年8月10日
Published Date 2021/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202279
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現代社会が成熟していくに伴いリハビリテーション科の果たす役割はますます重要となっています.現代医療は包括的医療-個別化医療とさまざまな側面があり今後はゲノム,薬剤,移植治療のみならず深層学習などのAIによる医療革新も目前に迫っています.そうした医療情勢の中で,地域社会に根付いた国民のQOLを高めるためのリハビリテーション医療を展開することが,現在のリハビリテーション科の責務であると考えています.リハビリテーションは「機能」「活動」「障害」に根ざしており,疾患の種類を選びません.私はその中でも心身活動と深く結びついている「脳」に着目し新たなニューロリハビリテーションの開発に取り組んでいます.
私たちが日常生活を営むうえで脳の働きは非常に大切です.例えば歩くという行動も脳から指令が出て,関連する脳内の神経回路網(ネットワーク)が活動し,その結果手や足を動かすことができます.すなわち脳と心身活動は深く結びついているのです.
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