第51回 日本リハビリテーション医学会 学術集会 構造教育講演◎入門リハビリテーション医学
脳卒中のリハビリテーション
藤原 俊之
1
1東海大学医学部専門診療学系リハビリテーション科学
pp.20-23
発行日 2015年1月18日
Published Date 2015/1/18
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はじめに
脳卒中の治療においてリハビリテーション(以下,リハ)が重要な位置を占めているのはいうまでもなく.現在までのところ,機能障害,日常生活動作(ADL)の改善にはリハが必須である.リハの目的は,1)Maximum functional recovery(最大限の機能回復),2)Minimum burden of care(最小の介護負担),Best quality of life(最良のQOL)の達成である.このためには,適切な評価に基づく治療の選択ならびにゴールの設定が重要である.
近年はMaximum functional recoveryを目指すべく脳,脊髄機能の可塑性に基づいた機能障害そのものに対するリハアプローチが開発されている.
上肢機能障害に関しては,通常のリハに加えて,CI療法(Constraint-induced Movement Therapy),非侵襲的脳刺激,HANDS(Hybrid Assistive Neuromuscular Dynamic Stimulation)療法,Brain Machine Interface(BMI)を用いたリハにより,従来の方法では実用的な機能回復が困難であった例においても,機能回復が可能となってきている.また,歩行障害に関しても,トレッドミル訓練,ロボット,非侵襲的脳刺激,電気刺激などを組み合わせることにより,新しい治療法が開発されている.それぞれの治療には適応と限界があり,臨床評価のみならず神経生理学的な評価に基づくことが必要なことはいうまでもない.
本稿ではこれら新しい治療を含めた脳卒中片麻痺のリハについて概説したい.
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