連載 脳に不具合をかかえた患者への看護 「支援困難」「個別性が高い」という思い込みからの脱却・3
脳のリハビリテーションとは何か?
鈴木 大介
pp.926-930
発行日 2021年10月10日
Published Date 2021/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686201989
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「機能が弱っている部分」(=できなくなっていること)に,可能な限りの刺激と負荷を与え続ける(=なんとかやろうとする)ことが機能回復につながる—身体のリハビリにせよ脳機能のリハビリにせよ,この点において大差はない。けれど,たぶんあまり知られていないように思うのが,この「負荷をかける」際に,身体と脳機能ではまったく違う現象が生じるということだ。
例えば,足のリハビリ目的で足に過大な負荷がかかったとする。そのとき,足が動かなくなってしまうようなことはあっても,いきなり身体のほかの部位までまったく動かなくなるといったことはないだろう。けれど脳機能においては,それに近しいことが往々にして起こるのだ。それは脳の「全機能喪失現象」とでもいうべき,悪夢のひとときである……。
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