集中講座 評価法の使い方 シリーズ2 各論①・第13回
脳血管障害・脳損傷
高倉 朋和
1,2
,
藤原 俊之
1
Tomokazu Takakura
1,2
,
Toshiyuki Fujiwara
1
1順天堂大学大学院医学研究科リハビリテーション医学
2順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センターリハビリテーション科
キーワード:
脳血管障害
,
脳卒中
,
脳損傷
Keyword:
脳血管障害
,
脳卒中
,
脳損傷
pp.79-85
発行日 2021年1月10日
Published Date 2021/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202135
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超高齢社会を迎えた日本は平均寿命と健康寿命の乖離,それに伴う介護負担増加といった課題に直面している.脳血管障害(cerebrovascular disorders;CVD)はかつて死亡原因トップだったが,1970年をピークに減少しており2018年には悪性新生物,心疾患,老衰に次ぐ第4位へ低下した1).しかし要介護の原因としては依然第2位であり2),予防・治療が進歩した現在においてもCVDは健康長寿を阻む原因である.
こうしたなか,2018年に成立した『健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法』(通称,脳卒中・循環器病対策基本法)の基本理念には「循環器病に係る予防,診断,治療,リハビリテーション等に係る技術の向上」3)が謳われている.リハビリテーション医学・医療関係者は,こうした社会的ニーズに応えるためにも各種評価法を習得しておく必要がある.なお脳損傷の原因・症状は多岐にわたるため神経筋疾患,高次脳機能障害における評価は別項に譲り,本稿ではCVDと外傷性脳損傷(traumatic brain injury;TBI)に対する代表的評価法を概説する.
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