書評
奥野英子 編著/日本リハビリテーション連携科学学会 社会リハビリテーション研究会 企画「障害のある人のための 社会生活力プログラム・マニュアル—自分らしく生きるために」
朝日 雅也
1
1埼玉県立大学保健医療福祉学部
pp.826
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202030
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国連の障害者権利条約は,障害のある人を保護の対象としてではなく,権利を行使する主体であると位置づけている.では,この理念を実現するためには,どのような取組が必要なのか.障害に対する社会全体の正しい理解は当然だが,同時に,障害のある人自身が行使すべき権利についてよく知り,そのための手段をもつことが肝要である.
それを支える重要な要素が社会生活力である.そして社会生活力の獲得は,社会リハビリテーションの本質である.国際リハビリテーション協会(Rehabilitation International;RI,1986年)は,「社会リハビリテーションとは,社会生活力(Social Functioning Ability)を高めることを目的としたプロセスである.社会生活力とは,さまざまな社会的な状況の中で,自分のニーズを満たし,一人ひとりに可能な最も豊かな社会参加を実現する権利を行使する力を意味する」と説明する.
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