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「日本リハビリテーション連携科学学会」をご存知でしょうか.初代の理事長は,筑波大学名誉教授である三澤義一先生であり,障害児・障害者関係の教育福祉分野の第一人者であります.また現在の理事長が兵庫県立総合リハビリテーションセンター名誉院長であった澤村誠志先生であることからも容易に想像できると思いますが,医療・教育・社会・福祉・職業など,多岐にわたるリハビリテーション諸科学の有機的連携を図り,机上の論議でなく実践の積み重ねの中で実践家の共通する広場を提供し,学際的に実証していこうとしている学会です.多職種・多専門の人々が,「リハビリテーション」という共通概念のもとに,その目標と理念に照らし,いかにしてお互いが連携し共有すべきものを探索しようかという,積極的な態度が随所に現れています.その結果,リハビリテーション各分野の連携に基づく研究と実践を推進し,わが国におけるリハビリテーションの充実・発展に寄与するという目的を掲げた学会なのです.学会の会員数は平成18年3月現在で394名と,決して多くはありませんが,福祉・教育・医学・看護・介護・リハビリテーション・職業・心理などの多分野からの専門職が登録をしています.
日本リハビリテーション連携科学学会第7回大会は,平成18年3月18~19日の期間で神奈川県立保健福祉大学において開催されました.阿部志郎大会長のもとで,大会テーマを「連携と統合 ―ヒューマンサービス―」として,各種の討議がなされました.過去に開催された大会のテーマは,それぞれ「リハビリテーションにおける連携を求めて」「連携の促進要因を探る」「連携促進のための工夫」「地域のニーズに合うリハビリテーションの実践から学ぶ」「ライフサイクルから見たリハビリテーションの連携」「新たな連携のかたちを求めて」であり,これらを受けてさらに一歩進めるということで,連携にとどまらず「統合」を意識すべき時代であるということから,「連携と統合―ヒューマンサービス―」というテーマが決まりました.テーマに即した大会長基調講演の内容は紙面の関係で省略いたしますが,近々発刊予定の雑誌「リハビリテーション連携科学」に掲載される予定ですので,ヒューマンサービスという言葉が意図していることを含め,是非ご覧いただければと思います(図1).
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