Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「夜明け前の子どもたち」—障害のある子供たちの完全就学と発達の道を拓いた歴史的作品
二通 諭
1
1札幌学院大学
pp.391
発行日 2020年4月10日
Published Date 2020/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201932
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1979年の養護学校義務制実施によって,障害の重い子供たちにも教育権が保障されることになった.これは,一朝一夕に実現したことではない.1973年に公布された養護学校義務制実施予告政令に先立つ1972年の国会論戦,1960年代に展開された先駆的な教育・療育の実践,<障害児の親であっても不就学児の親にならない>とする保護者たちの立ち上がりなどによるものだ.
完全就学前史において,重度重複障害児など障害の重い子供たちの多くは,「教育不可能児」とのレッテルを張られ学校教育から排除されていた.翻って,この壁の打破に必要だったのは,教育による<発達の事実>の集積.ここから学生らによる地域の在宅障害児の実態調査や,土曜教室などの教育の場を創る運動が発展することになる.
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