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実践講座 嚥下調整食の選び方・1【新連載】
学会分類2013の選び方
How to use JDD2013
藤谷 順子
1
Junko Fujitani
1
1国立研究開発法人国立国際医療研究センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation, National Center for Global Health and Medicine
キーワード:
嚥下調整食
,
嚥下障害
Keyword:
嚥下調整食
,
嚥下障害
pp.893-899
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201748
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嚥下調整食の歴史とは?
従来,本邦の病院や施設では,ご飯をおかゆにする,おかずを軟菜にする,刻む,ミキサーにかける,ペーストにする,というような食形態の変更は行われていたが,嚥下障害の症例にとって,「刻み」や液体,サラサラのお粥は必ずしも安全ではない.いっぽうで,ゼリーのような物性やとろみ付き液体が嚥下障害症例に適していること,物性にはかたさだけでなく,凝集性や付着性の要素が重要であることが,嚥下障害診療を通して知られてきたため,それらの概念を織り込んだものが嚥下調整食である.
食事の調整(diet modification)が「嚥下」という言葉とともに医学論文に現れるのは,1970年代である(近年,diet modificationは,地中海食のような栄養素的な文脈でも使用されている).1981年のSteefelの嚥下障害のテキストでは5段階の嚥下障害食が提示され,1983年のLogemanのテキストで形状を変化させた嚥下造影検査法が示されている.2002年にはアメリカ栄養士協会によるNational Dysphagia Diet(4段階)が発表されている.
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