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特集 摂食嚥下リハビリテーションの未来—各専門職に何ができるか
理学療法士にできること
The future of dysphagia rehabilitation-What Physical Therapists can do for dysphagia
吉田 剛
1
Tsuyoshi Yoshida
1
1高崎健康福祉大学保健医療学部理学療法学科
1Department of Physical Therapy, faculty of Health Science, Takasaki university of Health and Welfare
キーワード:
姿勢
,
呼吸
,
嚥下筋トレーニング
,
嚥下理学療法
,
誤嚥性肺炎予防
Keyword:
姿勢
,
呼吸
,
嚥下筋トレーニング
,
嚥下理学療法
,
誤嚥性肺炎予防
pp.729-733
発行日 2019年8月10日
Published Date 2019/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201711
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これまでの摂食嚥下リハビリテーションの臨床における理学療法士のかかわり
摂食嚥下障害に対する理学療法士のかかわりは,30年前に古澤らが当時では貴重な口腔・顔面機能に対する理学療法介入効果について報告1)して以来,13年前に筆者らが嚥下運動阻害因子に対する介入研究を学会で発表2)するまで研究はほとんど行われてこなかった.
それまでの臨床における理学療法士の摂食嚥下障害に対する役割は,誤嚥後の呼吸理学療法を中心とした副次的役割であった.古澤らの取り組みは,当時から全身と局所との関係を考慮して嚥下活動しやすい準備を行うといった高水準のアプローチであり,姿勢アライメントと姿勢筋緊張および運動連鎖との関係が治療理論のなかに組み込まれていたが,一般の臨床に取り入れるには知識と技術が必要であるため普及しなかった.また,嚥下の反射面の認識が強く,嚥下運動が姿勢や筋緊張,嚥下筋の筋機能などの影響を受けていて改善可能な運動であるという認識がなく,嚥下運動阻害因子についての評価指標がなかったことも普及しなかった一因であると考える.
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