Japanese
English
実践講座 障害者家族への心理的サポート・2
脊髄損傷
Identifying and addressing the support needs of family caregivers of people with spinal cord injury
古澤 一成
1
Kazunari Furusawa
1
1吉備高原医療リハビリテーションセンターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Kibikogen Rehabilitation Center for Employment Injuries
キーワード:
障害の告知
,
介護負担
,
社会参加
,
レスパイト
,
ピアカウンセリング
Keyword:
障害の告知
,
介護負担
,
社会参加
,
レスパイト
,
ピアカウンセリング
pp.563-568
発行日 2019年6月10日
Published Date 2019/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201665
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はじめに
リハビリテーション医療において,最良のアウトカムを得るためには,患者本人や医療従事者の努力だけでなく家族の協力が欠かせない.一般的には,障害が重度な疾病では,家族に求める協力のレベルが高くなる.その代表的な疾病が脊髄損傷である.多くの脊髄損傷者は,社会復帰した後も,家族からの身体的,心理的,経済的なサポートによってその生活を維持しており,家族の協力体制,あり方が,脊髄の損傷を負った後の人生を左右するといっても過言ではない.
脊髄損傷者の家族に協力を求める際に大切なのは,その立場で考え,家族のストレスが極力少なくなるように配慮することである.家族は時に脊髄損傷者以上に精神的なダメージを受けながら,本人をサポートする側に立たされている.脊髄損傷者が社会復帰しそれを継続するには,脊髄損傷者を支える家族に対しても,その努力を適切に評価し,身体的にも心理的にもサポートをする必要がある.
本稿では,「急性期」,「回復期リハビリテーション病棟や,筆者が所属するような脊髄損傷の医療を主体としたリハビリテーション専門病院でのリハビリテーション治療開始から社会復帰まで」,「社会復帰後」に分けて,脊髄損傷者家族の心理的問題と,そのサポートについて述べる.
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