Japanese
English
特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
ダウン症候群児の環軸椎脱臼と麻痺の発生
Altanto-axial Dislocation and Myelopathy in Down Syndrome
内山 政二
1
,
石川 誠一
1
,
佐藤 慎二
1
,
本間 隆夫
1
,
高橋 栄明
1
,
新田 初美
2
Seiji Uchiyama
1
1新潟大学整形外科
2新潟県立はまぐみ小児療育センター
1Department of Orthopaedic Surgery, Niigata University School of Medicine
キーワード:
環軸椎脱臼
,
altanto-axial dislocation
,
環軸椎形成不全
,
altanto-axial dysplasia
,
ダウン症候群
,
Down syndrome
,
脊髄症
,
myelopathy
Keyword:
環軸椎脱臼
,
altanto-axial dislocation
,
環軸椎形成不全
,
altanto-axial dysplasia
,
ダウン症候群
,
Down syndrome
,
脊髄症
,
myelopathy
pp.417-420
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901604
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抄録:ダウン症候群では環軸椎脱臼が高頻度でみられるが,実際に麻痺を生じる例は少ない.本症児の頚椎X線所見から麻痺発生の危険性の高い例を選別可能か否か検討した.環軸椎脱臼は116例中25例(21.6%)にみられた.脱臼25例のうち麻痺を生じたものは2例のみであった.ADIは麻痺例では7mmおよび8mmであり,非麻痺23例では4~7mmであった.環椎最小脊柱管前後径(SAC)は麻痺例では5mmおよび7mmと著しく狭く,非麻痺例では10~15mmであった.したがってSACに注目すれば.単純X線写真といえども麻痺発生の危険性の高い例の選別に有用である.本症では靱帯弛緩により高頻度に環軸椎脱臼が起こるが,それが麻痺に直結するものではない.麻痺の発生には靱帯弛緩に加えて,環椎脊柱管のdevelopmental stenosisや歯突起形成異常など環軸椎部全体の形成不全が関与していると思われた.
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