特集 救急でも抜かりなく 感染対策エマージェンシー
災害時における感染対策の優先順位 災害現場の医療従事者が「すべき事・できる事」を考える
菅原 えりさ
1
,
一般社団法人日本環境感染学会災害時感染制御検討委員会
1東京医療保健大学 感染制御学
キーワード:
給水
,
空調
,
災害対策
,
塵芥処理
,
感染予防管理
,
患者の受入れ
,
物流管理
,
専門職の役割
,
災害医学
,
多数傷病者事故
,
保健医療資源備蓄
,
緊急避難所
,
殺菌器
Keyword:
Air Conditioning
,
Disaster Planning
,
Product Line Management
,
Patient Admission
,
Refuse Disposal
,
Water Supply
,
Infection Control
,
Professional Role
,
Mass Casualty Incidents
,
Disaster Medicine
,
Emergency Shelter
,
Strategic Stockpile
pp.73-77
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.34426/J04878.2018135929
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
「災害」には,自然災害と人為的災害と大きく分けられ,自然災害の中には未知なる感染症のパンデミックも含まれる。人為的災害には,NBC災害[核(Nuclear),生物(Biologi-cal),化学物質(Chemical)による特殊災害],放射線災害,また,大事故や最近では戦争(ミサイル発射)などもそのカテゴリーに含まれる。いずれにしても,人命が脅かされ,日常生活が奪われ,社会的均衡が崩れるのが「災害」である。それらの破壊力に対して人間ができることは,予測可能な情報をできるだけ正確に入手し,経験知を積み上げ,そして「準備」することだろう。
我が国で多発している「大規模自然災害」を前提に,感染制御の視点で医療施設の「準備」について考えてみたい。そして最後に,日本環境感染学会が取り組む被災地支援についても言及する。
Copyright(C) 2018 Van Medical co., Ltd. All rights reserved.