Japanese
English
紹介
顔面麻痺に対するスプリントの治療効果
Treatment of facial palsy by splint
塩川 剛弘
1
,
山近 妃呂乃
1
,
坪浦 ななえ
1
,
下田 和代
1
,
三好 正堂
1
Takahiro Shiokawa
1
,
Hirono Yamachika
1
,
Nanae Tsuboura
1
,
Kazuyo Shimoda
1
,
Seido Miyoshi
1
1医療法人羅寿久会浅木病院
1Asagi Hospital
キーワード:
脳卒中による顔面麻痺
,
スプリント
Keyword:
脳卒中による顔面麻痺
,
スプリント
pp.281-284
発行日 2018年3月10日
Published Date 2018/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201252
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はじめに
顔面麻痺には中枢性麻痺と末梢性麻痺の2つがあり,末梢性顔面神経麻痺は一側顔面全体が,中枢性顔面神経麻痺は顔の一側下半分が麻痺する.両者とも一般に回復は良好であるが,なかには重度麻痺を残すこともある.
脳卒中における顔面麻痺は中枢性麻痺であるが,多くは保存的に治療され,また訓練法の文献は比較的少ないようである.しかし患者に詳しく聞いてみると,美容上の問題だけでなく「口角から食べ物がこぼれる」,「よだれが出る」,「しゃべりにくい」などを訴えることが少なくない.
筆者らは最近,脳卒中による重度顔面麻痺患者に対してスプリントを作製した.その結果,良好な回復を得ただけでなく,装着中に「食べ物が食べやすくなった」,「しゃべりやすくなった」などといって,睡眠以外の食事を含む時間帯にずっと装着していた3例を経験した.特に症例3は発病後17か月経過した慢性例であったにもかかわらず回復がみられた.そこで本稿では,これら3例について報告する.
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