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編集後記
川
pp.1270
発行日 2017年12月10日
Published Date 2017/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201183
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「○○さん家は娘さん家族が戻ってきて同居しとるんだよ」など,たまに帰省すると母からご近所情報を伝えられます.この間は散歩につきあわされて「ここは今空家」,「ここは今は夫婦二人暮らし」,「ここは息子が独身で一緒に住んどるんや」,「ここのおばあちゃんはこの間ころんで足を折って入院中」……と,1件1件最新情報をインプットされました.「さすが田舎,おそるべし」です.
2015年に仙台市で開催された国連防災世界会議で提言された「インクルーシブ防災」が注目されました.これは障害者,高齢者などあらゆる人の命を支える防災の考え方のことです.特集の中でも述べられていますが,東日本大震災では,岩手県,宮城県,福島県における障害のある人の死亡率は,全住民の死亡率の2倍に上ります.「インクルーシブ防災」の実現のために一番大切なことはコミュニティづくり,いいかえれば日ごろからの地域のかかわりです.ありがたいことに母は「(川)さん家はおばあちゃん一人暮らしだし,娘さんたちも薄情だでめったに帰って来ん」とご近所さんに把握されているようです.年末は帰省してご近所さんにごあいさつしなければ.
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