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編集後記
川
pp.812
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202025
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「人に迷惑をかけないというルール—それが君たちを縛っている……君たちは,普通の人が守っているルールは,自分たちも守るというかもしれない.しかし私はそうじゃないと思う.君たちが街へ出て,電車に乗ったり,階段を上がったり,映画館へ入ったり,そんなことを自由にできないルールはおかしいんだ.いちいち後ろめたい気持ちになったりするのはおかしい.私はむしろ堂々と,胸を張って,迷惑をかける決心をすべきだと思った」
山田太一のドラマ「男たちの旅路 車輪の一歩」の最も有名なセリフです.ドラマから40年,障害者権利条約では合理的配慮の否定は差別であるとされました.「君たち(車椅子の障害者)が街へ出て,電車に乗ったり,階段を上がったり,映画館へ入ったり,そんなことを自由にできないルールはおかしい」ことが明記されたのです.本特集があらゆる人の「社会参加の障壁となるもの」を取り除いていくための第一歩となればと思います.
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