Japanese
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特集 重度障害児者の生活の現状と課題
地域における重症心身障害児のサポート
Support system of a severe motor and intellectual disabilities(SMID)and challenges for the future
本田 真美
1
Manami Honda
1
1みくりキッズくりにっく
1Micri Children's Clinic
キーワード:
重症心身障害児
,
超・準超重症児
,
ノーマライゼーション
,
地域支援
,
機関連携
Keyword:
重症心身障害児
,
超・準超重症児
,
ノーマライゼーション
,
地域支援
,
機関連携
pp.889-894
発行日 2017年9月10日
Published Date 2017/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201081
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はじめに
わが国では2006年に障害者基本法の理念に基づき,障害種別(身体障害者,知的障害者,精神障害者)ごとに縦割りにされていた障害者福祉制度(身体障害者福祉法,知的障害者福祉法,精神保健福祉法)および児童福祉法を全面的に見直し,自立支援の観点から一元的なサービス提供とシステムを規定した「障害者自立支援法」が施行された.2013年には対象者やサービスを拡大し,地域社会における共生の実現を目指した「障害者総合支援法」が新たに整備され,さらに2016年には教育,医療,福祉,公共交通,雇用など障害者の自立と社会参加にかかわるあらゆる分野を対象として不当な差別を禁止し,合理的配慮を行う「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」が施行された.
このようにわが国は国際社会においても先進国の一つとして,障害児・者に対する法整備を着実に進めてはいるものの,医療,福祉,教育など各分野において未だ多くの課題が残されているのが現状である.とくに重症心身障害児(者)においては医療的ケアに対するサポート体制や社会的資源,介護者の負担などさまざまな側面から情報を整理して検討を重ねる必要があり,多機関における多職種の介入とつながりを深めていくことが望まれている.
地域で生活する重症児とその家族をとりまく現状や今後の展望・方向性を理解するために,本稿では地域で生活する重症児と保護者をとりまく養育環境やライフステージごとの課題について述べる.
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