1ページ講座 障がい者スポーツ
ボッチャ
片岡 正教
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1大阪府立大学地域保健学域総合リハビリテーション学類理学療法学専攻
pp.243
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200819
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皆さんは「ボッチャ」というパラリンピック競技をご存知だろうか.2016年9月に行われたリオデジャネイロパラリンピックでは,日本はチーム戦(3人対3人で競う団体戦)で銀メダルを獲得したので,名前を耳にしたことがある人は増えたかもしれない.
もともとは重度の脳性麻痺者を対象に考案されたスポーツで,ジャックボールと呼ばれる白のボールめがけて,赤もしくは青の自身のカラーボール6球を投げたり転がしたりして,相手よりいかに近づけるかを競うターゲットスポーツである.自身で投球できない選手も,ランプと呼ばれるスロープのような競技用補装具を用いて,アシスタントに指示を出すことで競技に参加することができるという点において,パラリンピック競技のなかでも最も障がいの重い選手を対象とした競技であると言える.よくカーリングにも例えられるが,ターゲット自体がボールであることから,コート内の自由な場所に投げることができ,自身のカラーボールで的を動かすことも可能であるという点で異なっている.現在は,脳性麻痺者以外にも四肢や体幹に同程度の重度の麻痺がある方も対象としている.
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