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特集 急性期脳卒中リハビリテーションup-to-date
急性期・高密度型脳卒中リハビリテーションの有効性—最近公表されたAVERT研究結果の概要およびその評価
Effectiveness of very early and intensive stroke rehabilitation
藤井 浩優
1
,
山田 深
1
Koyu Fujii
1
,
Shin Yamada
1
1杏林大学医学部リハビリテーション医学教室
1Department of Rehabilitation Medicine, Kyorin University
キーワード:
脳卒中ユニット
,
早期リハビリテーション
,
機能予後
Keyword:
脳卒中ユニット
,
早期リハビリテーション
,
機能予後
pp.103-108
発行日 2017年2月10日
Published Date 2017/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200844
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はじめに
脳卒中リハビリテーションは発症からの時間軸により急性期,回復期,維持期(生活期)に分類され,それぞれの時期に大枠の役割分担がなされている.そのなかで主に脳卒中の発症から2週間程度を対象とした急性期リハビリテーションは脳卒中急性期治療の重要な構成要素であると認識されており,発症早期からのリハビリテーションを含めた患者の全身的な管理が患者の予後を良好にすることが示されてきた1).急性期リハビリテーションは患者の機能・能力改善に特に重要な役割を担うが,“急性期”の具体的な定義やリハビリテーションとしての適切な介入方法は必ずしも確立されていない.すなわち,脳卒中発症からどのくらいの時間で開始するべきであるか,また,どのくらいの強度・密度でリハビリテーションを行うことが患者の予後により良い影響を与えるかは判然としていない部分が残されている.
急性期リハビリテーションの有効性をより明確に示すべく実施された一連の意欲的研究であるA Very Early Rehabilitation Trial(AVERT)は,“超急性期”として発症後24時間以内にリハビリテーションを開始することの効果を検証したものである.本稿ではその概要を振り返るとともに,急性期リハビリテーションに関連する近年の研究成果を読み解き,実臨床への応用に向けた評価を述べていく.
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