Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「映画 聲の形」—聴覚障害児へのいじめに端を発するインクルーシブ教育時代を生きる子供たちの物語
二通 諭
1
1札幌学院大学人文学部人間科学科
pp.1131
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200805
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小学校の道徳教育の実践報告を聞く機会があった.教材として使われていたAKB高橋みなみのメッセージの中に,「いじめていた子がいじめられたことがあった.いつか自分に返ってくるし,大人になって絶対に後悔する」というフレーズがあった.これは「映画 聲の形」(監督/山田尚子)の主題そのものである.
小学校6年生の学級に聴覚障害のある西宮硝子(しょうこ)が転校してくる.硝子は筆談によるコミュニケーションを求めるなど積極的な態度で臨むが,一部のクラスメイトにとっては鬱陶しくもあり,さらに,担任の特別な対応にも釈然とせず,ほどなくいじめの標的となる.
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