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特集 リハビリテーション・介護領域におけるICTの活用
ICTによる認知機能測定—子どもから高齢者まで
Cognitive function evaluation system in developmental disorder, neuropsychological disorder and elderly people
橋本 圭司
1,2
Keiji Hashimoto
1,2
1はしもとクリニック経堂
2国立研究開発法人国立成育医療研究センター
1Hashimoto Clinic Kyodo
キーワード:
ICT
,
発達障害
,
高次脳機能障害
,
高齢者
Keyword:
ICT
,
発達障害
,
高次脳機能障害
,
高齢者
pp.1064-1069
発行日 2016年12月10日
Published Date 2016/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200788
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はじめに
生まれつきの認知機能の問題を発達障害,後天性脳損傷による認知機能の問題を高次脳機能障害,アルツハイマー病や脳血管障害によって認知機能が著しく低下することを認知症と呼ぶ.全国で,発達障害者は60万人(2012年文部科学省調査),高次脳機能障害者は50万人(2008年東京都調査),認知症は462万人(2012年厚生労働省研究班調査)と推計されている.子供から高齢者まで,何らかの認知機能(高次脳機能)の問題を抱えた人々の人口は,わが国で実に600万人近くもいることになる1).
しかしながら,認知機能を適切に評価し,いち早く発達障害や高次脳機能障害,認知症の診断を行うことのできる人材と技術を兼ね備えた施設は,未だ限られているのが実状である.外見からは判断しにくい認知機能を,いつでも,どこでも,誰によっても簡便に評価することができれば,医療や福祉の現場の患者や家族,スタッフの負担を軽減することができる2).
本稿では,筆者らが10年来行ってきたICT(information and communication technology)による発達障害児,高次脳機能障害者,高齢者を対象とした認知機能測定の試みの一部を紹介する.
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