書評/ニュース
二木立「地域包括ケアと地域医療連携」/国連に政府報告提出—障害者権利条約の取り組みで
高岡 徹
1
1横浜市総合リハビリテーションセンター
pp.768
発行日 2016年9月10日
Published Date 2016/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200703
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好むと好まざるとにかかわらず,地域包括ケアシステムはリハビリテーション専門職にとって避けては通れないホットな話題である.また,次期日本リハビリテーション医学会春季学術集会のテーマでもある.今や地域包括ケアシステムは病院医療を含む医療・介護一体改革の中心的柱となり,国策となっている.
しかし,わかったような気がして,実のところ,知らないことやわからないことがまだまだ多いのではないだろうか.本書を読めば,地域包括ケアシステムの法・行政上の初出が2003年であり,当時は介護保険制度改革としての提起だったが徐々に変化・拡大してきた経緯,医療政策との関係といったことの理解が促進される.ただし,本書は地域包括ケアシステムのあるべき具体的姿を示してはいない.なぜなら,地域包括ケアは全国一律のモデルではなく,地域の実情にあったさまざまな形があってよいとされ,実態は「システム」というより「ネットワーク」であるからである(と著者は明確に説明してくれる).
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