症例
ネフローゼ症候群再発による下腿浮腫だと思われた急性前脛骨滑液包炎
松倉 裕喜
1
,
岩田 恵美子
,
高野 絵美
,
奥田 円
1済生会富山病院 小児科
キーワード:
Methylprednisolone
,
ネフローゼ症候群
,
下腿
,
滑液包炎
,
脛骨
,
再発
,
MRI
,
鑑別診断
,
浮腫
,
スポーツ障害
,
野球
,
パルス療法(薬物療法)
Keyword:
Athletic Injuries
,
Baseball
,
Bursitis
,
Edema
,
Diagnosis, Differential
,
Leg
,
Methylprednisolone
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Nephrotic Syndrome
,
Recurrence
,
Tibia
,
Pulse Therapy, Drug
pp.401-403
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00639.2016239047
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症例は16歳9ヵ月女児で、2歳時に特発性ネフローゼ症候群を発症し、その後もステロイド反応性・頻回再発型ネフローゼ症候群(FRNS)の経過をたどった。ソフトボールが左下肢にあたり、打撲を負った。数日後、同部位の腫脹を認めたが、蛋白尿が出ていたのでいつものネフローゼ症候群再発に伴う下腿浮腫だと考え、放置した。高度蛋白尿と低アルブミン血症を認めたため、FRNS再発と診断し、ステロイドパルス療法を実施した。寛解導入に成功したが、下腿の皮下腫瘤は縮小しなかった。4ヵ月経過後も皮下腫瘤に変化はなく、下肢のX線撮影を実施した。脛骨に変形・骨折はなかったため、経過観察とした。さらに3ヵ月経過後、皮下腫瘤が増大した。MRI上、筋膜に接する脂肪組織内に膨隆する嚢胞性腫瘤を認めた。内部に隔壁と脱落様物質を認め急性滑膜包炎と診断した。嚢胞を針で穿刺し、約40mLの水様透明な液体を採取した。穿刺後、皮下腫瘤は縮小し、その後の再発はない。
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