Japanese
English
症例報告
後頭蓋窩脳腫瘍によるめまい症状に早期リハビリテーションが有効であった1症例
Effects of rehabilitation from the early onset on the dizziness caused by brain tumor in posterior fossa:a case study
草場 正彦
1
,
黒田 健司
1
,
太田 善行
1
,
大野 博司
1
,
佐浦 隆一
2
,
宮武 伸一
3
Masahiko Kusaba
1
,
Kenji Kuroda
1
,
Yoshiyuki Ota
1
,
Hiroshi Ohno
1
,
Ryuichi Saura
2
,
Shin-Ichi Miyatake
3
1大阪医科大学附属病院リハビリテーション科
2大阪医科大学総合医学講座リハビリテーション医学教室
3大阪医科大学外科学講座脳神経外科学教室
1Department of Rehabilitation, Osaka Medical College Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Division of Comprehensive Medicine, Osaka Medical College
3Department of Neurosurgery, Division of Surgery, Osaka Medical College
キーワード:
めまい
,
後頭蓋窩脳腫瘍
Keyword:
めまい
,
後頭蓋窩脳腫瘍
pp.141-145
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200508
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はじめに
後頭蓋窩の脳腫瘍は,前庭障害によるめまい症状を呈することが多く,日常生活動作(activities of daily living;ADL)能力低下の主たる原因である.この前庭障害によるめまい症状に対するリハビリテーションは,CawthorneとCooksey1,2)によって初めて報告され,ランダム化比較試験3,4)の結果からその有効性が明らかにされた.しかし,手術後2週間以内に開始した早期介入の報告5,6)が多く,手術や放射線治療など医学的治療の開始前から介入した場合の,めまい症状に対するリハビリテーションの効果は明らかではない.
今回,後頭蓋窩脳腫瘍によるめまい症状に対して,放射線治療前から理学療法とめまいのトレーニングを組み合わせたリハビリテーションを行い,めまい症状の改善が得られ,歩行能力も向上した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
なお,論文発表については個人情報の保護に留意するとともに,本人に十分な説明を行い書面により同意を得た.
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