Japanese
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特集 聴神経腫瘍診療のNew Concept
《治療戦略》
手術:後頭蓋窩法
Surgical strategy:lateral suboccipital retrosigmoid approach
河野 道宏
1
Michihiro Kohno
1
1東京医科大学脳神経外科
pp.1040-1046
発行日 2016年12月20日
Published Date 2016/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411201136
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POINT
●聴神経腫瘍の手術適応は,若い患者,放射線治療の適応外である脳槽部25〜30mm以上の大きさの腫瘍や囊胞性の腫瘍,聴力温存目的あるいは成長速度の速い小さい腫瘍である。
●後頭蓋窩法の強みは,どのような大きさの腫瘍に対しても聴力温存を企図することが可能であること,術野が広くオリエンテーションがつけやすいことである。
●機能温存のために顔面神経や蝸牛神経上にわずかに腫瘍を残存させたとしても,再発予防のため,内耳道内に腫瘍を残存さないことが重要である。
●連続的に顔面神経を直接刺激する持続顔面神経モニタリングこそ,腫瘍の剝離操作中に顔面神経機能の落ち際を捉えられる唯一の「リアルタイムモニタリング」である。
●機能温存のために重要なポイントは,後頭蓋窩法,必ずしも全摘に固執しない手術ポリシー,持続顔面神経モニタリングなどであると考えている。
●経過観察・手術・放射線治療がケースごとに適切に選択されれば,手術の「センター化」と相まって,聴神経腫瘍の治療成績は今後さらに向上してゆくことが期待される。
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2018年12月)。
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