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後頭蓋窩(P.f.)腫瘍は発見率が高いが,すでに20年来,側脳室(l.v.)拡大のない例のあることが稀に存在するといわれる。しかし正中線pf腫瘍は水頭症を示すのが普通である。著者らは全くl.v.拡張のない7例を示している。第1例13歳少女,3w来頭痛・嘔吐・メマイ・複視,両側papilliedema (pe), x-p骨縫合離開,腰穿600mmH20,終圧480.1.v.造影,正常。くりかへし腰穿,つねに高い。蛋白48mg/100ml,左頸動脈造影(c.a.)正常,視力20/20,6w後増悪,昏睡,死。剖検IV室出血性悪性ependymoma,1.v.正常大。第2例4歳少年2w前,転倒し頭をうち,以来,頭痛・嘔吐,急性に進み嗜眠状,pe (−),腰穿380mmH20,X-P正常,ビールス脳炎と診断。眼振・アタキシー・低反射あらわれ,10日死,剖検で正中IV室未分化spend.,l.v.正常大。第3例48歳婦人,27歳multiple scieorsis,治療つづく,10年後四肢脱力,知覚低下,アタキシー,複視。42歳四肢高度脱力,反射消失,アタキシー高度,眼振,depression,両ophthalmoplegia,47歳臥床,死。剖検grade I astro.l.v.正常大。第4例47歳男2w来,頭痛,複視,右手アタキシー,神経学的にLataxia (++),腰穿210mm,c.a.で小脳右半球腫瘤,1.v.正常,気脳で脳橋転位,pf開頭,右半球中央側腫瘍切除,anapl. ca脳室正常,腫瘍発生源不明。第5例40歳婦人1年来歩行不安定,右に倒れ易い,右上肢アタキシー,眼振,右小脳症状著明,脳室造影でIVが左→右移動あるも正常九pf開頭。 cholesteato—ma,全摘,術後水頭症あらわれ,5w後再手術,前手術部cyst,摘,敗血死。第6例46歳男1w来左側アタキシー。6カ月肺癌摘除,c.a.i.pfの動脈転位,開頭,転移癌摘,l.v.正常。第7例64歳男4w来頭痛・嘔吐・歩行不安嵐 6w前肺癌照射,以来Sup. v. cava syndあり。c. a.脳室造影で大なる小脳の転移癌摘除,6w後水頭症。死。
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