Japanese
English
特集 高次脳機能障害の診断とリハビリテーション
画像診断
Image diagnosis
海野 聡子
1
Satoko Unno
1
1浴風会病院内科・リハビリテーション科
1Department of Internal Medicine and Rehabilitation, Yokufu-kai Hospital
キーワード:
高次脳機能障害
,
Brodmann領野
,
前頭前野
,
ネットワーク
Keyword:
高次脳機能障害
,
Brodmann領野
,
前頭前野
,
ネットワーク
pp.997-1003
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200409
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はじめに
高次脳機能障害とは,原因のいかんを問わず,脳損傷に起因する認知行動障害を表す包括的な用語である1).2000年初頭行政において,この用語が頭部外傷による遂行機能,注意,記憶,社会的行動障害を示す限定的なものとして使用され,高次脳機能障害に二重の意味を持つ事態となった2).結果として高次脳機能障害は膾炙されたが,医療従事者は本来の正しい意味を認識していなければならない.
画像診断の目的は,責任病巣を明らかにし,リハビリテーションの介入に役立てることである.責任病巣を同定するには,解剖学的名称,Brodmann領野に代表される細胞構築学的な名称,血管支配,神経線維束の走行についての知識が前提となる.発症直後の画像所見は,症状との解離が見られることもあり,症状と画像の経時的な変化を追い,責任病巣についての詳しい情報を得ていく.介入には,障害された領域とともに,保持されている領域も重要である.
発症後,リハビリテーション機関を,急性期→回復期→維持期と移動することがほとんどである.前施設の画像は,レポートではなく実物を自分の目で確認する.病態に応じ適時画像を撮影していくが,症状に変化があったときは必ず実施し,前所見と比較する.後施設へ必ず今までの画像を申し送る.
なお,病歴をとり,診察するのがいつでも基本である.そのうえで,症状を説明できる画像所見はあるか,その部位に矛盾はないか,また反対に,画像所見に見合う症状があるかを照合していく.
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