Japanese
English
特集 前頭葉障害とリハビリテーション
症例報告:社会的行動異常と発想の流暢性障害を示した左前頭前野損傷の1例
Disorder of Social Behavior and Idea Fluency in a Patient with Left Prefrontal Damages.
加藤 元一郎
1
,
鹿島 晴雄
2
Motoichiro Kato
1
,
Haruo Kashima
2
1東京歯科大学市川総合病院精神神経科
2慶應義塾大学医学部精神神経科
1Department of Neuropsychiatry, Tokyo Dental College Ichikawa General Hospital
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
キーワード:
社会的行動障害
,
発想の流暢性
,
前頭前野
Keyword:
社会的行動障害
,
発想の流暢性
,
前頭前野
pp.553-558
発行日 1998年6月10日
Published Date 1998/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108681
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はじめに
前頭葉機能障害は多様であり,前頭葉内の病巣部位によりその症候は異なる.前頭葉外側穹窿部(convexity)の障害では,運動保続,要素的行為の繰り返し現象,言葉や動作の停滞などがしばしば観察され,従来からの前頭葉機能検査でその障害が捉えられることが多い12).しかし,いわゆる前頭葉眼窩脳(ventromedial region)の損傷では,外側穹窿部障害例とは異なるタイプの行動障害が見られ,これらのケースでは臨床的な前頭葉機能検査で成績低下が認められないことがある.
本稿では,後者に属すると思われる左前頭前野損傷の1例を報告する.
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