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特集 地域包括ケアシステムとリハビリテーション
生活期リハビリテーションの実態と課題—訪問リハビリテーション・サービスの視点から
Realities and challenges of life phase rehabilitation—from the point of view of the visit rehabilitation sirvices
宮田 昌司
1,2
Shoji Miyata
1,2
1一般社団法人 日本訪問リハビリテーション協会
2医療法人社団輝生会教育研修局
2Medical Corporation Kisei-Kai
キーワード:
生活期リハビリテーション実態調査
,
活動と参加
,
リハビリテーション専門職の課題
Keyword:
生活期リハビリテーション実態調査
,
活動と参加
,
リハビリテーション専門職の課題
pp.809-816
発行日 2015年9月10日
Published Date 2015/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200347
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はじめに
地域包括ケアシステム構築の照準点としての2025年まで,あと10年となった.国の施策はもとより地域行政,医療・保健・福祉業界において,あらゆる集会(研究会・学会・シンポジウムなど)で討論される場面が多くなり,関係者の間では確実に認知度が高まった.しかし,現場最前線での動きは,これらに比して緩徐であるようにもみえる.それは,人口や世帯動態の将来予測データは,国や学識経験者から示されているが,地域包括ケアそのものを進めるための地域ケアの実態を示す資料は乏しく,危機感は募るものの実際にどのように動いていくべきかの方策は,未だ手探り状態ともいえるからである.
このような背景のなか,地域ケアを支えるための社会保障審議会(以下,社保審)の介護給付費分科会は,2012(平成24)年度介護報酬改定の検証を行っている.これは2012〜2014(平成24〜26)年度にかけて,生活期リハビリテーションに関する実態調査など,いくつもの調査を行ったものであり,これにより地域ケアの実態の一部が明らかになった.そして,これらの調査資料を基に介護給付費分科会における2015(平成27)年度改定に向けた議論が行われ,最終報告に反映された.
本稿では,これらの調査結果の一部について概要を示し,調査が反映された2015年度介護報酬改定および,同時並行して行われた「地域における高齢者リハビリテーションのあり方検討会」にて結論づけられた内容(報告書・2015年3月)について触れ,生活期におけるリハビリテーションの課題を整理したうえで,訪問リハビリテーションに携わるリハビリテーション専門職に求められていることについて考察する.
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