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実践講座 論文に多用される多変量解析法・3
群間で比較する
How to compare variables of different groups
奥田 千恵子
1
Chieko Okuda
1
1横浜薬科大学医療統計学
1Section of Medical Statistics, Yokohama College of Pharmacy
キーワード:
実験的研究
,
ランダム割り付け
,
分散分析
,
共分散分析
,
一般線形モデル
Keyword:
実験的研究
,
ランダム割り付け
,
分散分析
,
共分散分析
,
一般線形モデル
pp.751-756
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200329
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群間比較とは
群間でデータを比較するという研究デザインはシンプルでわかりやすい.実験条件が十分にコントロールされ,均質な遺伝的要件を備えた小動物による基礎実験では,動物の群分けに注意が払われることはほとんどない.群間比較にはt検定やχ2検定が用いられる.人間を対象とする研究も,その延長線上で群間比較ができると考えてしまいがちであるが,対象の多様な背景因子が交絡するなかで特定の因子の効果のみを取り出して比較するのは簡単ではない.
第1回(総論)で述べたように,何らかの介入を行った群と行わない群でアウトカムを比較するランダム化比較試験(randomized controlled trial;RCT)では,測定されていない因子や機序がわからない未知の因子も含めてすべての交絡因子を,理論上,群間で均一化することができる.あたかも個々の対象が同じ背景因子をもっているかのように扱うことができる.
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