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特集 がんのリハビリテーション
リハビリテーションの実際—全人的アプローチの視点を重視して
Rehabilitation in patients with cancer:Cancer rehabilitation focusing on whole-person medicine.
田尻 寿子
1
Hisako Tajiri
1
1静岡県立静岡がんセンターリハビリテーション科
1Division of Rehabilitation Medicine, Shizuoka Cancer Center
キーワード:
全人的アプローチ
,
life history
,
生命予後と機能予後
,
有機的連携
Keyword:
全人的アプローチ
,
life history
,
生命予後と機能予後
,
有機的連携
pp.1139-1145
発行日 2014年12月10日
Published Date 2014/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200072
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はじめに
がん患者リハビリテーション料が制定され,早6年が経過した.がん関連の教科書やリハビリテーションに関するガイドラインも出版され,がんのリハビリテーションは徐々に認知範囲を広げつつある.しかしながら,がんのリハビリテーションを実践していると,その奥深さに改めて感嘆する日々である.筆者がかかわり初めた当初は,がんの派生した臓器別へのリハビリテーションを実施するのに精一杯であり,それぞれの方々の人生に横断的にかかわっていただけであった.年数の経過とともに,周術期にリハビリテーションを実施した方々が転移・再発による別の症状・機能障害などを発症し,断続的にかかわらせていただくことが増えてきた.再発を繰り返しながらも,治療の有害事象に耐え,社会参加を続けておられる人々,残念ながら治療を断念せざるを得ないが,死の間際まで必死で大切なものを守ろうとする方々の生き様からは,大変多くのことを学ばせていただいている.
今回いただいたテーマ「リハビリテーションの実際」では,昨今出版されたがんのリハビリテーションに関する成書に記載されていることの多くについては,引用あるいは割愛させていただき「がんの自然史(成長形成)とともにがんに罹患した方々の人生の時間軸を中心に捉え,ガイドラインに即したリハビリテーションの実践を行ううえで,どのような臨床上の苦悩があり,リハビリテーションはどのようにかかわっていくか」,理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)がどのような役割をもち,施設内・施設外の方々とチームを作るかという視点を中心に述べさせていただく.
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