Japanese
English
特集 高齢化とリハビリテーション
高齢者の特徴
Characteristics of elderly patients;Medical rehabilitation for common disabling conditions among older adult.
秋下 雅弘
1
Masahiro Akishita
1
1東京大学大学院医学系研究科加齢医学(老年病学)
1Department of Geriatric Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
キーワード:
後期高齢者
,
老年症候群
,
高齢者総合機能評価
,
フレイル
Keyword:
後期高齢者
,
老年症候群
,
高齢者総合機能評価
,
フレイル
pp.1033-1037
発行日 2014年11月10日
Published Date 2014/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552200037
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
65歳以上の高齢者が総人口に占める割合(高齢化率)はついに25%を超え,明確な定義はないものの,超高齢社会に突入したと考えてよいであろう.しかし,超高齢社会の抱える真の問題は高齢化率ではなく,75歳以上の後期高齢者の増加にある.後期高齢者の半数は大きな疾患を有し,30%は要介護状態にあるという状況は,今後数十年の医学・医療の進歩では,さほど改善しないと見込まれており,医療機関の多くが後期高齢者で占められることは避けられない.厚生労働省の患者調査によると,すでに全国の外来患者の23%,入院患者の46%は後期高齢者である.都市部の高齢化が今後顕著なことを考えると,大都市の基幹病院でも,今後は必然的に高齢者医療の波を被ることになろう.このように,われわれが今後直面する高齢者医療は,元気に通院する前期高齢者ではなく,多くの疾患と老年症候群,日常生活障害を抱え,しばしば救急搬送される後期高齢者を主な対象としたものになると考えられる.つまり,臓器横断的で生活環境にも配慮した包括的な医療が必要である(図1).
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.