Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「微笑大使」―「笑い」の本質を掴み取りながら台湾の特別支援教育の到達を示す
二通 諭
1
1札幌学院大学文学部人間科学科
pp.905
発行日 2014年9月10日
Published Date 2014/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110637
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「微笑大使」(監督/謝佳男)は,台北市立大安高級工業職業学校に通う遺伝性の難病をもつ女子高校生ファン・シーユーを被写体とするドキュメンタリー.同校は,台湾が日本に統治されていた1940年に創設されており,初代校長は日本人.現在,昼間部,夜間部合わせて3,700名もの生徒を擁しており,老舗の工業高校として台湾の発展を担ってきたことは想像に難くない.
ファンの病名は,遺伝性痙攣性下半身麻痺.台湾では自身の弟を加えた2例のみ.ファンは,四肢の筋機能低下のため車椅子生活を余儀なくされ,発語も流暢ではないが,学校では笑顔を絶やさない.映像作家であり,この学校の特別支援学級の担任でもある謝佳男(シェ・チァナン)は,彼女の微笑に人々を励ます力を感じ,カメラで追いかけることになった.
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