Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「キャリー」―特別な支援を要する女子高生の悲痛な叫び
二通 諭
1
1札幌学院大学文学部人間科学科
pp.369
発行日 2014年4月10日
Published Date 2014/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110475
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「キャリー」(監督/キンバリー・ピアース)は,1976年のブライアン・デ・パルマ版のリメイクである.両作とも宣伝写真は頭から血をかぶった少女の姿であり,ホラー・スプラッター(恐怖と血しぶき)が苦手な人達を敬遠させるには十分なおぞましさである.
本作は,いじめと虐待の被害少女キャリーを主人公とする復讐譚である.キャリーは,非人間的な扱いを受けている者にとっては鬱憤を晴らしてくれる存在.同情と共感を呼ぶことはあっても決して憎悪の対象にはならない.特別な教育的支援を要する生徒でもある.
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