Japanese
English
研究と報告
視床外側部出血の症候の検討
Study on the syndromes of lateral thalamic hemorrhage.
持増 健作
1
,
吉本 隆治
1
,
梅本 昭英
1
,
中村 浩一郎
2
,
中島 由里子
3
,
浜田 博文
3
Kensaku Mochimasu
1
,
Ryuji Yoshimoto
1
,
Akihide Umemoto
1
,
Koichiro Nakamura
2
,
Yuriko Nakashima
3
,
Hirofumi Hamada
3
1田上記念病院リハビリテーション部
2田上記念病院神経内科
3鹿児島大学医学部保健学科
1Department of Rehabilitation, Tagami Memorial Hospital
2Department of Neurology, Tagami Memorial Hospital
3School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
視床出血
,
Dejerine-Roussy症候群
,
高次脳機能障害
Keyword:
視床出血
,
Dejerine-Roussy症候群
,
高次脳機能障害
pp.953-959
発行日 2013年10月10日
Published Date 2013/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552110276
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要旨:視床出血では視床外側部出血の頻度が最も多く,その症状はDejerine-Roussy症候群が有名であり,① 対側表在知覚障害,② 協調運動障害,③ 視床痛,④ 不随意運動,⑤ 片麻痺が挙げられる.しかし近年,視床外側部出血で多彩な高次脳機能障害の出現が注目されている.今回,3年間で当院にてリハビリテーションを実施した視床外側部出血16例を後方視的に検討し,文献的考察を行った.その結果,これまでの報告と同様Dejerine-Roussy症候群としての5つの症状がすべて出現した症例はみられず,3~4つが出現した症例がほとんどであった.ほかに,注意障害,USN,失語症など多彩な高次脳機能障害がみられた.その症状発現の機序として,視床の特定の核および大脳皮質を結ぶ神経回路が影響していると思われた.このように視床の外側部出血の症候に関してはDejerine-Roussy症候群以外に高次脳機能障害の合併を見逃さないことが重要であり,今後も,知見の集積が必要である.
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