特集 視床出血と理学療法
視床・被殻混合型出血の理学療法
加賀野井 博美
1
Hiromi Kaganoi
1
1内田脳神経外科リハビリテーション部
キーワード:
視床出血
,
混合型出血
,
アライメント
Keyword:
視床出血
,
混合型出血
,
アライメント
pp.425-430
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201191
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はじめに
脳出血は出血の部位により,被殻出血,視床出血,皮質下出血,小脳出血,橋出血などに分類され,視床出血は脳出血全体の約35%を占めており,被殻出血に次いで多くみられる出血である1).脳出血の原因としては,高血圧性が80〜90%を占める.高血圧性脳出血は,長期にわたり高血圧にさらされた脳血管が変性してもろくなり,破綻することで発症する.穿通枝動脈などの比較的細い血管に起こりやすく,被殻や視床といった脳の深部に起こる頻度が高い2).そのため,大脳基底核部に原発した血腫が内包を破壊して視床まで伸展したもの,あるいは視床に原発した血腫が内包を破壊して基底核部に伸展した混合型出血となる.混合型出血は,血腫が大きい場合や内包が破壊されているために神経症状が重篤な場合が多い.本稿では右視床部に出血を認め,内包や被殻に伸展,脳室内出血を認めた高齢患者の理学療法を報告する.
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