Japanese
English
研究と報告
加齢的もの忘れと軽度認知障害のもの忘れに関する研究―注意機能の観点から
Study on the memory complaints in aging and mild cognitive impairment from the standpoint of attention function.
中島 由里子
1
,
吉満 孝二
1
,
窪田 正大
1
,
岩瀬 義昭
1
,
浜田 博文
1
Yuriko Nakashima
1
,
Koji Yoshimitu
1
,
Masatomo Kubota
1
,
Yoshiaki Iwase
1
,
Hirofumi Hamada
1
1鹿児島大学医学部保健学科
1School of Health Sciences, Kagoshima University Faculty of Medicine
キーワード:
加齢
,
軽度認知障害
,
もの忘れ
,
注意
Keyword:
加齢
,
軽度認知障害
,
もの忘れ
,
注意
pp.1169-1174
発行日 2010年12月10日
Published Date 2010/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101914
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要旨:〔目的〕高齢者が訴えるもの忘れを注意機能の観点から検討した.〔対象〕対象は地域在住の高齢者16名である.Petersenらの軽度認知障害(MCI)の定義に基づき,①生活健忘チェックリスト,②WMS-R論理的記憶Ⅱの得点,③介護保険制度の介護度,④MMSEの得点に合致する者をMCI群(8名),それ以外を加齢群(8名)に分類した.〔方法〕記憶検査としてWMS-Rの5つの下位検査,注意検査として標準注意検査法(CAT)の4つの下位検査とTMTpartBを使用した.〔結果〕WMS-Rの論理的記憶Ⅰと言語性対連合Ⅰ,CATのDigit Span backwardとTMTpartBにおいてMCI群は加齢群に比べて有意に低下していた.〔考察〕MCI群は加齢群に比べて,WMS-Rの結果からエピソード記憶と言語性の即時再生が低下し,注意の特性は,その検査結果から配分や容量,ワーキングメモリが低下している可能性が示唆された.MCIの記憶機能低下の背景には注意の障害がある可能性が示唆された.
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